2016年04月23日
スェーデンの旅
ファブリックの街ブレダ郊外の壮大な自然の中に、テキスタイルデザイナー「テイヤ・ブルーン」のアトリエはあります。
途中「ここが私のお気に入りの場所なの。」と言って、北欧らしい赤い水車後小屋の横に車を停めると、森の中へと歩きはじめました。水車の横には、雪解けが始まったばかりの透き通ったきれいな川が流れていて、橋を渡って足を進めてゆきました。
森はようやく春の訪れを知らせる草花が咲き始めたところで、辺りから聞こえてくるのは水の音や小鳥のさえずり、風の音という自然の中のささやきだけ。「このブルーのお花は、テイヤ・ブルーンと名づけたの」と嬉しそうに語ります。
森はたくさんのインスピレーションを与えてくれる、テイヤお気に入りの散歩道なのだそうです。ああ、多くの植物をテーマに描き続ける彼女の暮らしは、雄大な自然に寄り添うようにてあるのですね。しばらくの間、並んで静かに歩き続けました。
大きなガラス窓越しに望む、ため息が出るほど美しい景色は、青空が過ぎると、雨が雪になり、そして、また陽がのぞく。刻一刻と姿を変えてゆく、想像をはるかに超える北欧の大自然と共存する暮らし。
日々目にする自然の中から、多くのインスピレーションを受けていると話す彼女はとても輝いていた。こんな環境で創作を続けられるなんて素敵過ぎる。私も、ひとときだけ身を置いて生きかえってみた。